1 三毛猫ホームズの推理
著者 赤川次郎
当時、私は現代推理小説を読まず、シャーロックホームズ読んでいた。
赤川先生の本を読んだのは、私の中学校にしては珍しく、
赤川次郎と言う名の文庫本が、(本当に、シャレにならないくらい。)
たくさん置いてあった。
それで、偶然1冊の本を手にして読んだときから、
急に虜となってしまったのだった。
今まで本なんてそんなに読んだことの無かった自分が、
こんなにハマッてしまうとは、正直ビックリした。
この物語が、最初の作品だったにもかかわらず、
他の三毛猫シリーズの本を2,3冊読んでいた。
たまたま、その文庫本だけが無いまま、ますます私自身、
三毛猫ファミリーが好きになっていったのだった。
ある日、偶然テレビをつけた私は、「三毛猫ホームズの推理」
の映画(多分そうだろうと思うけれど・・・。)が、しているのに気付き、
すぐにその映画を見たのだった。
だが、そのときの中学1年だった私は、『推理を解いて、見事に犯人を解決』と、
思い続けていたので、それとは違って、物語の複雑すぎる内容が、理解するのが難しかった。
ただ、話の展開が他の三毛猫シリーズと違い、晴美ちゃんが小説の中の晴美ちゃんより、
何だか少し寂しそうだったのを、覚えている。
それ以来、その作品だけ読まず(まだ、このとき本はまだ、
返されていなかったのだった。)、
いつの間にか、三毛猫シリーズをほとんど、読み尽くして
いたのだった。
やがて、約1年が過ぎ、そのドラマも忘れかけた頃。
いつものように昼休憩に、図書室へと本を借りに行った私は、
ふと、「三毛猫ホームズの推理」が、置いてある(って、
返すの遅いっ!)のに気付いた。
私は、すぐにその文庫本を借り、とてもウキウキしながら、
物語を読んで行ったが・・・。
全部読み終えたとき、私自身とても悲しくなっていた。
こんな結末になるなんて、思いもしなかったからだ。
何度読んでも、結末は同じだった。余りにも、辛かった。
そのときの私は、ショックのまま数日間、重い気持ちのまま学校に行っていた。
何故、ドラマを見ても、何も分からなかったのだろう?
複雑な人間関係。現実的な内容。仮面を被った人々。
『大人』と言う、冷たい領域。
心の中の本当の気持ち。犯人の悲しい結末。
あのときには、知らなかったことが、今では知っている。
自分が、子供から大人へと、少しずつ分かり始めたのだと、気付いた。
主人公が、必ずしも名探偵ではない。
主人公だって、人間だ。ただ、主人公は推理を解く
だけじゃ無い、様々な気持ちを抱いているのだ。
この作品を読んで、そう思った。
読まなければ良かったと、何度も思った。
だけど、今思うとこれで良かったのかも知れない。
この作品を読んで、さらに赤川次郎と言う作品が好きになって行ったのだから・・・。